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業を煮やした中国の「防空圏」設定は総崩れ招く可能性も




先月26日、米国空軍の爆撃機2機が中国が設定した防空識別圏内に入って悠然と飛行した。それと連携して、日本の自衛隊機も防空圏の中に深く進入したと発表されている。それに対し、中国空軍は警告や緊急発進などの「しかるべき措置」をいっさい取ることなく、米軍機と自衛隊の動きをただ指をくわえて見守っただけである。

 それでは防空圏の設定はまったく意味のないものとなってしまう。中国政府と軍は、世界中が注目する中で前代未聞の大失態を演じた。

 ようやく29日になって、中国は国営メディアを通じて突如、「緊急発進した」と発表したが、日本側はそれを完全否定。おそらく、発進しなかったことに対する国内の批判が高まる中で、最低限の体面を保つために嘘の発表をしたのではないかと思う。

 防空圏の設定は当初、日本に照準を当てていた。人民日報系の『環球時報』は先月2日、解放軍将校・賀芳氏の論文を掲載したが、それは尖閣諸島周辺での日本側の“挑発的行為の抑止”を理由にして防空圏の設定を提言したものであった。

 その数週間後に設定が実際に行われたのだから、軍が主導的な役割を果たしていることが分かる。おそらく一部の軍人たちが「そうすれば日本を窮地に追い込むことができる」と進言し、「領土問題」でいっさい譲歩しない安倍政権に業を煮やした習近平国家主席がそれを聞き入れて実行を命じたのであろう。

だから、中国はそれがあくまでも「対日問題」だと強調して、米国を「関係のない第三者」の立場に封じ込めようとした。防空圏の設定に日米両国が反対の声を上げたのに対し、中国国防省の楊宇軍報道官が「米国がこの問題で不当な言動を控え、日本の冒険的性質を助長する誤ったシグナルを送らないよう望む」と発言したことも彼らの思惑を端的に示している。

 しかし3日の安倍晋三首相とバイデン米副大統領との会談でも分かるように、米政府はむしろ、自分たちが立派な当事者だと思っているのだ。中国の防空圏には戦闘機訓練のために日本政府が在日米軍に提供している沖縄北部訓練区域の一部が含まれている。日米同盟を基軸にしてアジアにおける中国の覇権樹立を阻止しようとする長期戦略からすれば、米国はこの地域における中国の勝手な冒険を許すわけにはいかない。中国はまさに、米国の断固とした意志と覚悟を完全に読み間違って大きな失敗を犯した。

 そして、この前代未聞の大失敗と失態は、中国政府と習近平指導部に計り知れない大きなダメージを与えることとなろう。この一件で中国の国際的威信が完全に失墜しただけでなく、習主席自身がかつて熱望していた、米オバマ政権との「大国間信頼関係の構築」はもはや水の泡。アジアでは、日本はもとより、“友好国”の韓国まで米国と同調して中国の防空圏設定に反対することになったから、孤立化したのは中国の方である。その一方、中国にとって目障りであるはずの日米同盟・米韓同盟は、よりいっそう強化された。

そして国内的には、自国の防空圏が米軍機らに荒らされて手足も出なかった政府の「弱腰ぶり」が国民の目の前にさらされたことで習主席の権威が地に落ち、その指導力の低下は避けられない。

 党内の反対派たちは今後、この一件を材料にして習近平たたきか、習近平降ろしを始めるかもしれない。窮地に追い込まれる習政権の存続自体が危うくなるのだ。

 中国では昔から、「一着不慎、満盤皆輸(まんばんかいゆ)」という諺(ことわざ)がある。囲碁から生まれた言葉だが、「一石の打ち違いで全局が負けてしまう」という意味合いだ。それはまさに、今の習主席にぴったりと合う言葉ではないのか。

                   ◇

【プロフィル】石平

 せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。



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在日米陸軍のブーザー司令官(左)と会談する陸自西部方面隊の番匠幸一郎総監。中国に対抗し日米両国の連携強化が図られている =11月29日、熊本市東区の陸上自衛隊西部方面総監部 (谷田智恒撮影)





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