FC2ブログ

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket


産経新聞 2015.5.21 12:29

先月末から今月中旬までの、日米中露の4カ国による一連の外交上の動きは、アジア太平洋地域における「新しい冷戦時代」の幕開けを予感させるものとなった。


clm1505210008-p1.jpg
モスクワで行われた対独戦勝70周年式典に出席し、中国の習近平国家主席(中央)と言葉を交わすプーチン露大統領(右)=9日(AP)



 まず注目すべきなのは、先月26日からの安倍晋三首相の米国訪問である。この訪問において、自衛隊と米軍との軍事連携の全面強化を意味する「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)の歴史的再改定が実現し、日米主導のアジア太平洋経済圏構築を目指す、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の早期締結でも合意した。

 政治、経済、軍事の多方面における日米の一体化は、これで一段と進むこととなろう。オバマ大統領の安倍首相に対する手厚い歓待も日米の親密ぶりを強く印象づけた。両国関係はこれで、文字通りの「希望の同盟関係」が佳境に入った。

 日米関係強化の「裏の立役者」はやはり中国の習近平国家主席である。2012年11月の発足以来、習政権はアジアにおける中国の覇権樹立を目指して本格的に動き出した。13年11月の東シナ海上空での一方的な防空識別圏設定はその第一歩だったが、それ以来、南シナ海の島々での埋め立てや軍事基地の建設を着々と進めるなど、中国はアジアの平和と秩序を根底から脅かすような冒険的行動を次から次へと起こしている。

習主席はまた、「アジアの安全はアジア人自身が守る」という「アジア新安全観」を唱え、アメリカの軍事的影響力をアジアから締め出す考えを明確にした。そして今春、経済面での「アメリカ追い出し作戦」に取りかかった。アメリカの同盟国、イギリスなどを含む57カ国が創設に参加したAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立構想を一気に展開し始めた。

 日米主導のアジア経済秩序を打ち壊し、中国によるアジアの経済支配を確立する戦略であるが、アメリカの経済的ヘゲモニーにまで触手を伸ばすことによって習政権は米国との対立をいっそう深めたことになる。

 ここまで追い詰められると、さすがのオバマ政権も反転攻勢に出た。そうしなければ、アジア太平洋地域におけるアメリカのヘゲモニーが完全に崩壊してしまうからだ。日米同盟の強化はまさにその反転戦略の一環であろう。日米両国による軍事協力体制の強化とTPP経済圏の推進はすべて、「習近平戦略」に対する対抗手段の意味合いを持っている。

 これを受け、習主席は5月初旬に主賓格としてロシアの対独戦勝70周年記念の軍事パレードに参加し、プーチン大統領との親密ぶりを演じてみせる一方、地中海におけるロシア軍との合同軍事演習にも踏み切った。習主席からすれば、日米同盟に対抗するためにはロシアとの「共闘体制」をつくるしかないのだろうが、これによって、かつての冷戦構造を「複製」させてしまった観がある。

その数日後、米軍は南シナ海での中国の軍事的拡張に対し、戦艦や偵察機を使っての具体的な対抗措置を検討し始めた。ようやくアメリカは本気になってきたようである。ケリー米国務長官は先の訪中で、南シナ海での「妄動」を中止するよう中国指導部に強く求めた。

 それに対し、中国の王毅外相は「中国の決意は揺るぎないものだ」と拒否した一方、習主席は「広い太平洋は米中両国を収容できる空間がある」と応じた。要するに習政権は自らの拡張政策の継続を高らかに宣言しながら、アメリカに対しては太平洋の西側の覇権を中国に明け渡すよう迫ったのである。

 これでアジア太平洋地域における米中の覇権争いはもはや決定的なものとなった。対立構造の鮮明化によって、新たな「米中冷戦」の時代が幕を開けようとしている。



石平  せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

世界のガン(中国)を消す日米「レーザー相殺手術」

習近平主席、とんだ赤っ恥 海洋覇権狙う中国を米国が封じ込めへ

comment iconコメント

コメントの投稿



trackback iconトラックバック

トラックバックURL:

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
現在の閲覧者数: